【2010年5月新橋演舞場】<歌舞伎>新橋演舞場『五月花形歌舞伎』 第4世代そろい踏み

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    【2010年5月新橋演舞場】<歌舞伎>新橋演舞場『五月花形歌舞伎』 第4世代そろい踏み

    <歌舞伎>新橋演舞場『五月花形歌舞伎』 第4世代そろい踏み

     歌舞伎座が今月末で閉場するのに伴い、東京で代替メーン劇場となる新橋演舞場で来月四日から「花形歌舞伎」が始まる。主演は、今月の歌舞伎座で主演する役者たちの子ども世代。はとこ同士の市川海老蔵、市川染五郎、尾上松緑らで、戦後第四世代となる。演目は「寺子屋」「熊谷陣屋」「助六」と今月の歌舞伎座と重なる作品が多い。それだけに「比べられるのは当然で、足元に一歩でも近づきたい」とプレッシャーを口にするが、彼らの踏ん張りに歌舞伎の未来がかかっている。 (藤英樹)

     会見で、演舞場の演目、座組みを決めた松竹の安孫子正専務は「今月の歌舞伎座だけを意識したわけではない」としつつ、「一九五一年に今の歌舞伎座が復興してからも、歌舞伎は山あり谷ありだった。先輩たちが地方に出て涙ぐましい努力をしてくれたことが今日の繁栄につながった」と歴史をひとくさり。そして「今月の歌舞伎座で先輩たちが素晴らしい舞台を勤めている。世代交代ではないが、次世代の人たちも先輩同様、どれだけ迫力のある舞台を勤められるか、気持ちを一つにして冒険を」と激励した。

     戦後の歌舞伎界を概観すると、戦前から活躍していた初代中村吉右衛門と六代目尾上菊五郎らが第一世代。続いて六世中村歌右衛門、高麗屋三兄弟(七世松本幸四郎の息子)の十一世市川團十郎、初代松本白鸚、二世尾上松緑、さらに七世尾上梅幸、初代吉右衛門の実弟の十七世中村勘三郎らが第二世代となる。

     その息子たちの当代團十郎、幸四郎、吉右衛門、勘三郎、菊五郎や、十五代目片岡仁左衛門、三代目市川猿之助らが第三世代。今回演舞場に主演する海老蔵、染五郎、松緑、中村勘太郎、七之助らは第四世代に当たる。

     初代吉右衛門をはじめ播磨屋、高麗屋が当たり役にしてきた「熊谷〜」で、染五郎が初役で熊谷直実に挑む。海老蔵も初役で源義経を勤める。「寺子屋」では松王丸を海老蔵、武部源蔵を染五郎が演じる。

     染五郎は「写真撮影で熊谷の衣装を着けて、あこがれていた役だったことをあらためて実感した。(初代吉右衛門らの)血が自分にも流れている。父(幸四郎)に習うが、(先祖に)恥じぬよう、役を汚さぬようしっかりと勤めたい」。

     歌舞伎十八番の一つ、成田屋のお家芸「助六」では海老蔵が助六。過去に何度か勤めたが、助六が髭(ひげ)の意休から名刀・友切丸を取り戻す「水入り」まで上演するのは二十二年ぶりで、もちろん初めて。父(團十郎)から教わる海老蔵は「(白血病で倒れた)父は今は元気だが、今後のことを考えると、教われるときに教わっておきたいと思った」と語る。

     十二歳で父を亡くした松緑は、父も勤めた音羽屋のお家芸「魚屋宗五郎」の宗五郎を勤める。「私が習ったのは菊五郎の兄さんのもので、父とは少し違う。技と血の融合が自分の中でできればいいと考えている」と、遠回しながら早世した父への深い哀惜を表現した。

     「吉野山」の佐藤忠信・狐(きつね)忠信などを勤める勘太郎、「寺子屋」で戸浪、「熊谷〜」で相模などを勤める七之助も「海老蔵さん、染五郎さん、松緑さんと共演する機会は少ないので、今回一緒の舞台の空気を吸えることはうれしい」。海老蔵は「同世代として、仲良く切磋琢磨(せっさたくま)しながら刺激を与え合いたい」と力を込めた。

     ほかの演目は「お祭り」「うかれ坊主(ぼうず)」。「助六」の揚巻を中村福助が勤めるほか、片岡秀太郎、市川左團次、中村歌六、中村芝雀ら先輩たちがわきを固める。

     二十八日まで、一万六千〜三千円。(電)03・5565・6000。

     東京新聞:http://u.nu/6kaq8 


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